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桑葉の歴史

近年「糖質過多」が、肥満だけでなく、現代人の体の様々な不調に大きく影響している事が明らかとなり、糖質のコントロールがダイエットや健康維持に有効であると広く知られるようになりました。糖の吸収を抑え血糖値の上昇を抑制する効果をもつ桑葉は、現在、国内外で注目の素材となっています。

  • 古来から健康食品として食された桑葉

    桑葉の効能に関するいわれは古く、本草学の最初の書といわれ、2世紀に中国で著された「神農本草経」には、桑葉を日陰干ししたものを神仙茶と名付け、これを服用すれば風邪や百日咳、中風、利尿などに効き目があり、高血圧や滋養強壮にも効果があるとされています。また、日本では鎌倉時代、臨済宗の開祖である栄西禅師が著した最初の書であり薬書でもある「喫茶養生記」の下巻に、桑粥桑湯を服用すれば「水をいくら飲んでものどの渇きを覚える飲水病(糖尿病)に三・五日で必ず験あり」と記されており、古くから体感的に健康効果がある食品として食されてきた事が覗えます。

  • 生糸産業の発達と輸出産業

    桑は、クワ科(Moraceae)のクワ属(Morus)に属し、温帯地方から熱帯地方にかけて主に蚕の餌として養蚕用に広く栽培されている園芸作物です。養蚕は中国の揚子江や黄河流域ではじまったとされ、その歴史は5,000年前にも遡ります。日本に養蚕技術が伝えられたのは紀元前200年頃、そして本格的に養蚕が勧められるようになったのは江戸末期からです。幕末から昭和初期までは、日本の養蚕技術により発展した生糸産業は、外貨を稼ぐ貴重な輸出産業として日本経済を支えました。しかし、第二次世界大戦後、安価なナイロンやレーヨンなどの人工繊維の技術が確立されると、日本の絹産業は衰退していきます。それとともに日本の風景から「桑園」も姿を消していったのです。

  • 科学で証明された桑葉の力

    すっかり忘れ去られていた桑が再び脚光を浴びるきっかけとなったのが、当社が参画した「神奈川県の機能性食品に関する共同研究事業(平成2年~6年)」の研究報告です。この研究で、桑葉に含まれる有効成分DNJ(1-デオキシノジリマイシン)が、糖の吸収を阻害し、食後血糖値の上昇を抑制する事が明らかとなりました。栄西禅師や、先人たちの教えが現代科学で証明されたのです。古くから私たちの祖先の健康を守り、日本の産業や文化の発展を支えた桑葉―トヨタマ健康食品は、この古くて新しい素材に大きな可能性と魅力を感じ、桑葉で一人でも多くの方の健康をサポートする事を目的として生まれた会社です。当社は、出会いから30年以上桑葉と向き合い続けておりますが、現在は、当社のみならず、世界中の企業・機関の研究者が桑葉を研究テーマに選ばれています。これからも新たな発見が歴史に刻まれる事と確信しております。

産地へのこだわり

当社で使用している桑の葉は、全て農薬・化学肥料不使用にて栽培を行い、環境に配慮した生産に取り組んでおります。
桑葉の一次原料生産者様の適正な利益確保のため、フェアトレードを徹底し、持続可能な生産を実施しています。

  • 鹿児島県産

    当社の国産桑葉原料は、鹿児島県産を使用しています。鹿児島県は全国有数の農業県で、特に日本茶は静岡県に次いで全国2位の生産量です。当社では、日本茶の生産技術に優れた「茶農家」と契約して、桑葉を有機肥料・無農薬で栽培し、収穫後すぐに桑畑の近くの製茶工場にて乾燥させています。当社の長年の研究によって蓄積された分析技術と豊富な分析データを活用して、最適な桑葉の収穫時期、収穫部位、加工方法のノウハウを確立しています。また、原料・製品でイミノシュガー含有量を確認し、安定して高品質な桑葉原料をご提供しています。

  • タイ産

    「タイシルク」で有名なタイのシルク織物は、明治時代に日本の養蚕技術者が貧困なタイ東北部に渡って養蚕技術を指導した事により発展しました。現在、シルクの生産量が世界一の中国においてシルクの生産量が減少する中、日本の養蚕技術を継承し、高い技術水準を維持しているタイでの養蚕が注目を集めています。当社では、桑葉の栽培技術に信頼のおけるタイを海外産原料の生産拠点とし、契約工場に当社の乾燥技術を指導して、高品質でコストパフォーマンスに優れた桑葉原料を製造しています。タイの桑畑でも日本と同様に化学肥料不使用・無農薬で栽培し、安全・安心な原料をご提供しています。

桑葉の安全性確認

桑葉の安全性は、以下の試験を実施して確認を得ています。
その他、原料の安全性確認として放射能検査や農薬分析等も定期的に実施しています。

  • 人試験

    5名のボランティアに対し、1日6gの桑葉エキス末を1週間摂取して頂きました。摂取後に血液検査、尿検査、心電図の測定を実施した結果、検査項目のいずれにおいても異常は認められませんでした。

  • 変異原生

    Ames法に従いSalmonella typhymurium TA98,100,1535,1537及びE.coli WP2 uvrAを使用し、S9の有無で確認した結果、いずれの菌株においても5000μg/plateまで変異原性は認められませんでした。

  • 急性毒性試験

    OECDガイドラインによる限界急性毒性試験を実施しました。ddy系雄マウス10匹に対し桑葉エキスを2週間経口投与した結果、死亡例はなくLD50は2g/kg以上でした。また、特記すべき異常所見は認められませんでした。

  • 亜慢性試験

    SD系雌雄ラット(n=10)に90日間反復混餌(0.1,0.4,1% 桑葉エキス配合飼料)投与毒性試験を実施したところ、検査項目(一般症状、体重、血液検査、内臓検査)のすべてにおいて異常は認められませんでした。

  • 細胞遺伝毒性試験

    ヒト繊維芽細胞の染色体異常誘発試験と姉妹染色体交換試験を実施しました。V79チャイニーズハムスター細胞の突然変異誘発試験の結果、染色体異常、姉妹染色分体交換及び突然変異誘発は認められませんでした。